りんごの詩


きみどり みどり ゆっくり紅色


まっかに なるのは 

かわいい果実 


なぞる夢

語りかける 一羽の鳥

甘く香る 果実をくわえ

青を まとった 姿で よろこぶ

 

りんごよ りんご

ほんとの色をふりまいて




歌はうぶごえのように 

大きく 膨らみ

風と握手を交わしたよ


生きて 生きて

かけまわる 優しさと一緒に


りんごよ りんご

味わい尽くされるべき

尊き りんご




はしる空 黄昏れて

紅玉の故郷を背に語り


写した 影も 愛おしく

白き綿の 涙浮かべる


静寂の奇跡と

満たされた星の瞬き



りんごよ りんご

君に見た 夢夢 

旅するように


りんごよ りんご

めざめた 君よ


明日の空も心のままに






■この詩について■


先日、徳網正宗くんとの企画Liveで

お互いに「りんご」をテーマに


詩を作ってこよう!

という事になっていて


その日のLiveで朗読をした。

 


これは、その時の、詩。

 



移ろいゆく 時の流れと

移住した自分や 周りの反応とか

色々あるけど

本当の気持ちで旅を続けてほしい


というイメージで完成した



りんご の 色の変化や

鳥にくわえられて 空に舞う


旅するりんごを想っていたら

なんだかそれが


自分と重なるような気がしたのである。



わたしたちは、

生きているひと時の間に感じる

自分の世界をどれくらい

味わい尽くせるものだろうか。




中田真由美