2017年12月2日(土) よく晴れた日
東京の渋谷区にある[ 幡ヶ谷36°5 ]というお店で、
「うまれたこと」について、考えさせていただけるようなイベントが行われ、この日、私は最後に歌わせていただきました。
[ 幡ヶ谷36°5 ]は、歌う私が22才の頃(2007年頃)から3年ちょっとほど毎月[ はだかの音楽 ]という自主企画を開催して歌わせていただいていたお店で、中田真由美を語るには、絶対にかかせないライブハウスバーなのである。
ちょうど10年前。あの頃は、ソロで歌い始めたばかりで右も左もよく分からないまま、後先考えることもせず思いつきで動いていたのだけれど、頼れるような知り合いも少なく、活動範囲はてんてんだった。
作り出した自分のもの、今自分の作っているものは「ほんとうの善いものなのか?」というところを確かめていく作業が私にはとても必要だった。あの頃はそのスタート地点にいて、自信というものもなかった。
当時店長だったノブさんから「うん。改めて聴いたら、うたがすごくよかったんだよ!」というお言葉と共にご提案いただけて、スタート地点の私が自主企画をする運びとなったのだ。私には歌える場所がある安心感と、主催としての責任感など、抱えて物事をまとめ上げて乗り越える力を今思えば、身につけることができていたのだと思う。
[ はだかの音楽 ]については、ものすごく深く深く深く、心底まで、宇宙的な深さくらい? それはもう、おかしくなるくらいまで、毎回考えて考えて考え抜いて、自主企画として歌っていた。
・0になること
・着飾らないこと背伸びしないこと
・心からまる裸で表現すること
・野生的な本能的なものであること
これらが、イベントタイトルを考えた時に私の思っていたことで、それから、実際に毎月続けていって、分かっていった物事もあった。
・隔たりのないこと
・今、音楽を自分自身を他人のことを
どう想っているかがバレること
・時々傷つくこと
・だから時々同意を求めてしまって誰かを
傷つけてしまっているかもしれないこと
・だからこそ 無意識的なところで
誰も傷つけないところまで
いけたらソレのこと
(私はまだ未熟だと痛感した日)
・本当には、ソレは一瞬のもの
なのかもしれないということ
・素直であること
・私達が日常装備を外し、心から裸になるとただ一つ
「音楽が好きだ」これだけが残るのだということ
・もう、それだけで、いいのにな。
ということ。
あの頃出会えた人達で会えなくなった人たちも多いけど、わりと私は覚えているようです。思い出すきっかけが、この2017年12月2日のライブの中には、たしかにありました。
いくつも歳をとり、私はまた、今月の誕生日を迎えることができ、そこで、この日のイベント[ 同い年祭
]を主催してくれていた宇海ちゃん、マリエちゃん、共演だった倉沢桃子さん、さわひろこさん、みんなで32才という者になることができ、という者たちの32才をそれぞれ自然な形のまま、心置きなく表現していたように思いました。
主催の宇海ちゃんとは、10年前に、幡ヶ谷36°5で出会い、出会いたてくらいの頃は、お互い敬語だったような気がします。同い年と分かってもお互いに無意識なところで距離感を大切に保っていたのかなぁ。
それで、ある日突如、もっともっと宇海ちゃんがかしこまり、お話があるんです、といった雰囲気で向かい側の椅子に座ってこんなふうに言ってくれたのでした。
「私たち815(宇海ちゃんのやっているユニット名)は、平和や愛をたくさん考えていて、それを知るためにまずは、見て、感じて、体感するための一歩を踏み出したくて、仲間たちと行動してみよう!と考えているんです。こんなお誘いは、恐れ多くて、勝手な話なんですが、中田さんの歌の中には、同じような願いや祈りがあるのではないかと感じて、もしも、よろしければ、中田さん、一緒に神戸へ歌いに行ったりしていただけませんか?」
というような口調で、やけに気を遣いながら、でも、えいやー!という感じで、私を誘ってくれたのだった。
そんなに改まらなくていいのになぁ〜、ヘラヘラピョー、っていう感じの返答がしたかったのだけれど、自分自身も大きなテーマを抱えての生まれてはじめての旅、私は大丈夫なのか?という不安も多少あったがために、「行きたいです」という想いだけを先に伝えて、その後、精神的にも、物理的にも、どうにかこうにか行けるようにしていった、という流れだったと思うのだけれども。
とにかく、あの時、宇海ちゃん、ノブさんが私を誘ってくれなかったら、今の中田真由美は形成されていなかったかもしれない。それくらいの、大切にしたい物事のスタート地点を一緒に味わった『仲間』となっていった。
でも、仲間になったと同時に、内輪になることを避けるためだったとおもう、いつからか、私たちは、同じ場所、同じ想い、同じテーマ、同じ方角、とか『同じ』というところに固執しなくなり、一緒に行動したり、一緒に盛り上がっていかなくても、全然いい、それぞれの場所で、それぞれの想いで、それぞれのやり方で、そこでやってればいいんだ。
ということを、誰もそんなことは、あえて口に出すこともしなかったけど、そういうことが、みんながだんだんと理解していたように思う、私は、[ はだかの音楽 ]を終わらせて、みんなは、バラバラの場所でよく歌うようになったりした。
だから、815(宇海ちゃん・ノブさん)の歌は、この日に久々に聴いたんだなぁ。。。そしたら、やっぱり私が感じることは、『私たちの思い出』とそれから『会わなかった時間のこと』そして『現在のこと』、未来は全然わからーん。ということ。一つ一つ感じたのだった。
ハハハ!と笑える健やかなイベントだったなぁ〜。そして素敵に誕生日を祝っていただいてしまいました。イベントの名前からして、予想はしていたんですが、予想を超えるお祝いの嵐が、吹いていました。それがとてもハッピーでしたぁ。
なぜかというと、共演のさわひろこさん、企画のマリエちゃんもお誕生日で、みんなを宇海ちゃんと倉沢桃子さんが仕掛け人となって、お祝いしてくださったのです。
そしてさらに、お客様からも中田へのサプライズがあったり!!笑。
お祝いの嵐は、感謝の嵐でもあり、すごい笑顔がたくさんでした。
ほんとうにありがとうございます。
私は、この日、ここ数年間の出来事や自分のことや、そこで私としてではなくて、歌い手として、これからも成長しながら歌っていけそうな、ある中間地点のような新しめの楽曲を歌いました。
セットリストを載せておきます。
1・すてきをさがス
2・Swing with Love
3・てふてふ
4・新曲(タイトル未定)
5・smile again
6・ミタイ
7・兎
8・希望のカケラタチ
<アンコール>
ソラティチャリ(with 宇海)
そうだぁ、宇海ちゃんねぇ、すごかったなぁ、アンコール一緒にコーラスしてくれたんだけど、私、ずいぶんとハチャメチャに歌詞を歌ってしまったし、通常バージョンで歌ってなかったのに、全部ついてきてくれてたんです。彼女のその場で生きているものへの反応スキルが高すぎて、私はもう、参りました。と思いました。
すんごく泣きながら(笑)宇海ちゃん、最高のコーラスでした。ありがとう!
私は、この日のMCで、おやじキャラが降臨し、会場のみんながガヤガヤしていましたね、笑。正直私自身も、自分に驚いていました。また会いたいキャラクターでした。笑
それから、その日の為にかけつけてくれていた同い年の料理人TACTくんが作ってくれた、打ち上げのお料理もどっか~~ん!どうだ~~~!みたいな男気を感じるおいしいお料理でした。
生まれた日のことを想う日が、
幡ヶ谷36°5 であったことをとても嬉しく思いました。
間違いなく、ここは、行き場のなかったあの頃の私の家だったのだと感じました。
家族のような人達がこのお店にはいてくれて、どの出演者にもお客様にも愛情深く接してくれる、すごいお店です。
来年は、またちょいと出演が増える流れになっているので、
お客様にもぜひ、このお店で歌う中田真由美を聴いてもらえたら嬉しいです。
あぁ、ながくなりました。
よんでくださってありがとうございます。
大切な時間でした。
皆様、ありがとうございました。
中田真由美