ニッキ


7月1日 土曜 くもり

昨晩、お友達の役者お兄さんと対談をしてそのお話の中で、映画『チェンジリング』が凄くいいということだったので、早速帰宅後、その映画をレンタルして見た。
実話を元にして作られた作品で、女優アンジェリーナ・ジョリーさんの息子を誘拐された母親役の演技が上手すぎて、心が苦しくもなり、毅然とした態度で、揺るがない愛情と信念を貫いて生涯を終える主人公の母親としての強さ、その時代に実際に存在していた登場人物(警察)の人間としての醜さなどに、感情が大きく揺れた。ダークな作品だけど、やっぱりいい作品には、例えダークでもそこに希望や勇気や励ましを見出せる。この世には心に刺激を受けやすい人もいるから、安易におすすめは出来ないストーリーだけれども、私はこういう事実があったことなどを知る事ができるのは、いい事だと思っている人間なので、見てよかったと思った。

ただ、ちょっとその映画のストーリーに出て来た犯人のことや事件のことが気になってしまって、ネットで検索していたり、その親や子供や周りの人たちは一体どんな心境だったのだろう…と想像してしまったりして、夜中眠れなくなった。(そう、わたしも刺激を受けやすいタイプなのである。)


そんなこんなで、いつの間にかに眠る形になって今日は、お昼の一時に目が覚めた。
そこからすぐに朝ごはんをたべて、支度をして、新宿に向かった。

新宿に向かった理由は、最近調子を崩し続けているエレアコギターの修理のため。

楽器屋さんには、数ヶ月前にバンジョーを買った時のスタッフさんがいたので、そのお方にお願いして、ヤイリギターを本店?に送ってもらうことにした。行先は岐阜だったかなぁ。。どうやら、結構、調子悪いみたいだ。
私にとってこのギターは、10年も一緒にライブをしてくれてるパートナーだったので、家に帰っても姿がない、、、いざこうなると、すごく淋しい。

ギターのことを人は、どうしても擬人化してしまうもので。色々と考えてしまった。
これまでの自分の適当な保管の仕方だとか。弦の巻き方なんて間違えたまま、これでいいやって、何ヶ月も変えてないし、店員さんに渡してチェックしてもらう時に、やけに恥ずかしい、という気持ちに今更なって。色々ガタがきていたことに気づいたら、なんとなく、色々反省点が頭をよぎるのであった。

特に驚いたのは、ギターに搭載されていたマイクが『フィッシュマン』だったこと。私は本当によく理解していないまま、10年間も弾いていたけど、よく、ピックアップ(アコースティックギターに外付けするマイクのこと。これを付けると、エレキギターのようにアンプと繋いで、電気を通して、音を大きくできる。)のメーカーは、『フィッシュマン』がいい。というのを耳にしていて、そういうの付けてみたいなぁ、、、フィッシュマンカッコいいなぁ。
なんてなことをこれまでひっそり思っていた私は、修理の時に今更初めて知った事実に『なんと、君は初めから私の憧れのマイクを搭載していたのかぃ!!早く言ってくれよ!おぃ!』と、心の中で思わずツッコミをしてしまった。

…こんなに適当で理解の浅い私の傍で、10年間も付き添ってくれていただなんて、有難すぎる。私は実はそこまで音についてなどはこだわりがないので、ギターの音についても詳しく知りたいこともなかった。
とくにギターを弾くのが好きなわけでもないので、ギターの存在は好きだけど、ギターの可能性を引き出したり、ギターで人を楽しませる方法もよく分からないのであり、購入当初からずっと、私にはかなり不満を持ってるだろうな、、、ごめんよぉ。という思いのまま今日まで変わらずにお互い演ってきたのである。

思えば、過去に一度ネックにヒビが入って修理に出して一ヶ月ほど会えなくなった時もあったが、その頃は、さほど寂しくもなく、別のギターを人から借りてジャカジャカ弾いてライブをしていたものだったが、はてさて、今となっては『かけがえのない存在』なのであって、私は心細く、とても淋しく、なんとなく他のギターでライブをするのも嫌だなぁ…。なんて事まで思うのであった。これを愛着というのか、依存というのか、ちょっと不思議な気持ちがするもんだなぁ。

そんなこんなで、ギターとは、しばらく離れ離れである。

早く元気になって帰ってきておくれ。

ワンマンライブは、君と一緒に歌いたいんだよぉ。よろしく頼みますよぉ。


待ってるからねぇ。


とまぁ、今日のところは、録音していたキープ楽曲などを聴きながら眠りたいと思う。ワンマンライブまでに帰ってきますように。

祈ろう。