写真家ソール・ライター展


今通っているイラストレーション塾のおともだちに、「ソール・ライターって構図の鬼らしいよ〜、絵とか写真撮る人は、必ず行った方がいいって聞いたよ。」という話を聞いた。いわゆる、クチコミというものに突き動かされた私。

行こう。と思うか思わないかは、直感的なものが働くか働かないかで変わってくる私。その直感は、この日、ビビビッ!と働いた。

週末に不得意な渋谷に行くことなんてまったくないのだけれど、こういう時の私はたくましく、不得意だろうがなんであろうが、そこに観たいものがある!という目的に向かってグイグイ突き進むのである。


直感は、よく、当たる。


直感と言えども、だいたいが、それまでの過去から現在に、何かしらのストーリーがさりげなくあって、そのストーリーの出来事や断片的なものが一つ一つの理由となり、その理由が繋がる瞬間だったり、自分の中だけで腑に落ちる感覚や原因とか、そういうのが実はあって、裏付けられているから、この、ビビビッ!ってやつが来たら、それに従わないわけにはいかないのだ。

ソール・ライター展。
とても良かった。作品を鑑賞できただけでも、心踊るほどのかっこよさだったり、面白さがあったのだけれども、80歳になるまで自分の作品を公にしてこなかった彼の写真家としての人生観、哲学、その言葉たち、に大きな感動をしてしまった。恐らく、私のお客さんもこの展示を観に行ったら、私が共感した、と頷いたことについてを納得し、やはり頷いてしまうのだろうな、、、と思う。

そうして時代が移り変わり世の中の写真がモノクロだった時代からカラーが入るようになり、赤い傘の写真を観ただけで、涙腺が刺激されてしまった。

それから、彼は独学、趣味で絵を描いきた人間で、私は写真以上にその絵の色づかいだとかがえらく気に入ってしまった。のんで好きなのか分からないけど。すごく好きだった。単純に色づかいが好きなのか、憧れてしまうなぁという気持ちになった。


今、ソール・ライターさんという人を知り、その作品と言葉たちに出会えたことが、私には本当に心強い出来事だった。そういう共感した気持ちを忘れたくなくて、私は、最後、彼の写真集・図録を買って、ニヤニヤしながら帰って、早速それを開いて読んで。また頷きながら眠ったり。

これが、世の中に自然と漂っている芸術の力なのだ。と思いながら。本当にいい週末になった。

ありがとう、ソール・ライターさん。そしてソール・ライター展、さらにクチコミをしてくれたお友達、それから開催してくれた会場 Bunkamura、彼に撮られた被写体たち、展示を促してくれた人達、図録の出版社さん、、、などなど。

どれだけの人達が関わっているか分からないけど、感謝は絶えない。


生きて死んでくことっていうのは、
とんでもなくありがとう、なのだなぁ。
(ソール・ライターさんはまだご健在です)


私も色々な作品をつくりたい。

日常の素敵なことをまだまだ
見つけて見つめ続けて切りとって。


それが出来なくなったら、その時こそ本当に悩んだり迷ったりすべき時なのだな。

ありがたいことに、今は色々なことに挑戦できている。そして、周りには素敵なことがいっぱいある。見えている。

私はそれらを伝える媒体として、
根強く生きていける。

そんな気がした。


幸せ、ありがとうございました。