矢野顕子さんの映画

 

 

きょうは、「SUPER FOLK SONG」というドキュメンタリー映画を鑑賞しにいってきた。

大御所シンガーソングライター矢野顕子さんのレコーディング風景をひたすら生々しいアングルでみつめるというなんとも貴重な時間だった。

レコーディングというものを普段、アーティストの方々はどんなふうに行なっているのかをわたしはあんまりよく分かっていないので、本物のミュージシャンのレコーディング風景の一部をのぞけたのは、とても勉強になった。

やわらかな印象で天才と呼ばれなんでもできるイメージの矢野顕子さんも、レコーディングとなるとピリピリしたり、苦戦したりする場面が多々あり、そのお姿を観ることができて、親近感がわいて、逆にうれしい!というきもちになった。

わたしも2015年に生まれて初めてスタジオでレコーディングというものを行なったんだけれども、ライブをする時のじぶんの脳みそとは、全然ちがう部分をつかう作業がそこにはあった。

ライブはその瞬間瞬間のパッションみたいなものが伝わればOKサインが自分でも出せるのだけれども、レコーディングでは、もう終わったことを改めて細かく聞き直し、それを何度も何度も、聞き直し。じぶんのやりたいことを理解しながら進めていかなければならなくて、正直ほんとうに、たのしくもありながら、つらくもあったなぁ。

 

しかしながら、この映画をみたことで、わたしはもっともっともっともっともっと、時間をかけてこだわり抜いて録音していくことがしたくなった。というか、こうあるべきだなぁ、と、感化されてしまったのであった。技術がついていかないという辛さを矢野さんも映画の中で語っていて、なんだぁ、こんなすごい方でも、同じ想いをしていらっしゃったのか!とわかったら、ものすごくじぶんに対してやさしくなれる予感がしてきた。そしてレコーディングをしながら上達してき満面の笑みでピアノを弾くお姿も観ることができて、すこぶる晴れやかな気分。

 

自分がこれまで恐怖でしかなかった色々な物事への解釈が、ここ数年間で変化してきたことを想う。

思うにそれって、「 出会い 」のおかげさまなのです。

 

わたしは、いま、また、街中のすれ違うすべての人達に頭を下げながら、感謝をつげながら、歩きたい気分です。

 

いい映画でした。