操り人形劇団 かわせみ座の座長 山本由也さんが 京都の公演から帰ってきた。そしてすぐに東京
東中野ポレポレ坐というお店で、11月22から3週間、ご自身の発案、製作されたお人形さんたちの個展を開催する。しかもだ、その3週の間、山本さんは毎日毎日、日替わりであらゆるアーティストの方々と一緒に、音楽ライブと操り人形のコラボレーションライブを開催するのである。
私が山本由也さんに初めてお目見えしたのは、一昨年の冬頃だったと思う。同じ会場東中野ポレポレ坐で出逢った。実は、別件で打ち合わせがあって、料理人でイベンターとしても活動している私のお友達のTACTくんと二人でこの東中野ポレポレ坐の併設カフェスペースでお茶をしていたのだ。
すると、偶然にもそのカフェの奥の部屋で山本由也さんの個展が開催されていた。興味本位でそろそろとTACTくんと個展スペースへと足を運び、それぞれのお人形さん達をまじまじと見つめていった。並んでいるお人形さん達は、どれも魅力的な瞳や柄、表情や形をしていて、その場から離れられない。。。というような奇妙な気持ちになってしまった。
そうして、そこには、山本由也さんご本人も登場し、私達に快くそのお人形さん達が動き出す様子を披露してくださった。
山本さんという人は、私の中では出逢ってすぐに、この人は本物の人だって一瞬で分かってしまう凄みを感じる方で、お話するだけでもそうなのに、操り人形師としてそこに立つ山本さんとお人形さんの動きを見た時、私はもう恐いとすら感じてしまうほどだった。とても良い意味でそう思ったのだ。
操られているお人形さんを目の前にすると、自分が何歳でこれまでどんな生活をしてきた人間なのかということも忘れ、童心に返るとはこのこと、まるで子供のようにそのお人形さんに話しかけてしまったり、生きている動物に触れるような気持ちで手を出してしまったりして、本当にものすごい感覚にある意味で気が狂ってしまいそうだった。(はたから見たら、とても変な感じだっただろうと思う。)
それで、心の中では、ガクガクしていた私の隣りで、TACTくんは、山本さんに勇気を出して声をかけて、『もし宜しければ、ぜひご一緒にライブを開催させていただきたいと思いました』というような内容で自己紹介をしていたのだった。
(私は、その時、もしもTACTくんみたいな旦那さんがいたら、私はいろーんな芸術家さん達とのコラボが実現するなぁ、素敵な夫婦になれそうだ、と勝手に妄想したのだけれども、その時には既に美人な奥様がいたわけで、私とTACTくんとは、同い年のお友達なのである笑。)
兎にも角にも、TACTくんという人のお陰様で、その後に『浮世の桃源郷』というコラボライブイベントを開催する機会ができ、そうしてTACTくんの力があって、山本さんに歌を聴いていただけた。
山本さんには、中田真由美の歌を気に入ってもらえて本当に光栄なことなのだけれども、とても仲良くしてくだって、去年は私が30歳になる誕生日に、山本さんの個展を見に行って、色々な大切なお話を聞かせてくださり、その後の中田ワンマンライブにはお客様として山本さんが遊びにいらっしゃるということもありながら、先日は工房に遊びに行って、山本さんのお誕生日会でお祝いをさせていただいたりして、なんだか、知らぬ間に沢山会えていて嬉しい。
そうして、今年は、12月3日に、東中野ポレポレ坐で、山本由也さんの個展会期中でのコラボライブにお誘いいただけ、私はまた嬉しい嬉しい嬉しい素敵なお人形さんとのライブで歌うことができる。
山本由也さんのご厚意を受け、個展オープニングパーティーの中で、数曲だけ歌わせていただけたのだけれども、私は正直なところ、この日は朝から大きな地震があったりして震えながらの気分でいたので、ダークサイドに陥っていたのですが、皆様との時間で心がほどけ、歌は気持ちよく歌えて、山本さんとお人形のキウイさんと一緒になって楽しくて、歌い終わった後には、すごく皆さん笑顔でお声がけくださったので、すごくすごく安心しました。
マジシャンの方と繋がったり、ライブのお誘いくださったり、フェイスブックで繋がってくださったり、拍手拍手でお目々キラキラで沢山のご感想をくださった方にも、本当に感謝申し上げます。
私自身は、ただ単に山本さんのパーティーに遊びに行くだけのつもりでしたが、山本さんが歌ってくれませんか?と言ってくださったので、私はそりゃ勿論、歌わせてください、という気持ちでいました。
でも、いざ当日を迎えたら、ダークな気持ちにおかされそうになっていたバッドタイミングだったということも事実でして、、、ひとりで立ち直れるように頑張って、ある程度持ち直してから、パーティー参加をしました。
でも、実は、やっぱり多勢の方々との中だと、少し隠れていたい気分でいたのです。それでも、歌を歌い、皆さんの笑顔が沢山見られると最高に気持ちが晴れました。
だから、歌いたくなり、だから、私は歌っていないとダメで、そして歌が無ければ、ただの抜け殻みたいな感じできっと、もっとダメな奴になってしまうんだろうなぁ、と改めてまた理解しました。(それをいつもすぐに忘れてしまうんですが…苦笑)
歌が歌えて幸せでした。
ここから3週間、山本由也さんが元気に、皆さんとのコラボライブを無事終演できるよう、私もその一部の人間として、想いをいっぱいにして、向かいたいです。
さーて、また歌うぞー!
当日は、魔女さんや、羽根さんや、ゴツゴツしたお人形さんの為に歌をこしらえて参上仕りますので、皆様どうぞお楽しみにしていてくださいませー!
中田