いざ、品川水族館へ



アシカショーが見たい。
ただそれだけの気持ちから、思い立ったが吉日というわけで、品川水族館へ向かった。ふむふむ。品川水族館は、予想していたよりも広く、色々な種類の生き物や、イベントが行なわれていて、面白い水族館だった。

そして、予想していた通り。女一人で、水族館に足を運んでいる人は、私だけか?と思わされたわけだけどもね…笑。家族入館、カップル入館、友達入館、改めて周囲を見渡すと、そんな方々ばかりで、私はマイノリティ万歳!と心の中で、悦に浸った。(痩せ我慢)  途中までは、そんなお一人様な状況を気にしていた私だけれども、館内を歩いていると、もう、本当に楽しくって仕方がない。という気持ちの方が勝って、まるで小学生と同じような感じで、はしゃぎ回っていた。

特に、イルカショーを観た時、それがまるで人生初観賞のような心持ちで、ワクワクし、イルカが、しょっぱなで突然水中から水面へと顔を出し、その上高く高く飛び上がって登場したあの瞬間。・・・何故か感極まって涙をこぼしてしまっていた。

しかし私は、本当の小学生の頃は、あまりイルカを見ても感動しなかった気がするのだ、それが、今になって、一体全体どうしてしまったんだろう?と思うほど、心を奪われてしまっていたのである。本当に、驚いたのと、独りで来て良かったなぁ(こんなの誰かに見られたら恥ずかしいやぁ)、という気持ちになった。

そうして、感動の後は、職業病というか、私の性質というか、なんというかその…実は、イルカの立場で考え事をしてしまったのである。『俺、これやんなきゃ、餌もらえねぇんだよなぁ〜!』とか『水族館で芸をするために生まれてきたんじゃね〜!』とか『俺の一生をここで終わらすつもりはないんだぜ!』とか『もうこれで2000回は、ジャンプしてるってわけ』とか『人間は、これを見て感動してんのかぁ、不思議な奴らだなぁ』とか、『覚えておけ!俺には、給料出ないからな!時給も月給も関係ないんだぜ!』とか、愚痴っている声が浮かんできた。

『楽しい〜!』『人間が喜んでくれるなら、僕はこんなのお茶の子さいさいだよ!』『みんなの笑顔のお陰で、今日も元気になるよ!』とか、そういうポジティブな言葉は、一切浮かばなかったなぁ…笑。


だから、イルカの立場と思いきや、これはかなり主観的な発想だわね。だってそもそも、イルカさんには、『働いている意識』なんてないだろうし、もしかしたら『人間達と遊んでる意識』でいるかもしれなかったのに。
私の眼には、ショーをするイルカは、かなりヤサグレていて、自分を『俺』と言って愚痴っているように見えていた。これは一種の自己投影というものだろうか。笑

そうよ。
人間界は、厄介だし、わりと辛いのよ。
とほほ。おほほ。

というわけで、なんだかんだ、その自己投影以外は、素直に大感動だったイルカショーが終わり、私の気分は、上々の上の上機嫌。

さらに館内をグルグルと歩き回って、色々な生き物の様子を見て、気に入った子たちをパシャパシャと写真に収め、癒されながら、、、あっという間に、またイベントの時間がやってきた。

さて!次は、私のお目当。
『アシカショー』


・・・アイドルのコンサートに行く人の気持ちって、こんなんかなぁ…?と思いながら、アシカが登場するまで、ドキドキしながら待っている。

すると、横の方から、係員の女性が現れた!さぁ、始まるか⁉︎と思いきや、係員さんは、客席に向かって、注意事項などをアナウンスしている。

「まぁ、まぁ、それも大事か。」と、大人気なくも、気持ちが前のめりになった自分を諭しつつ、その注意事項に耳を傾け、しっかりと頭に入れて、いい子ちゃんとして、気持ちを改めた。

アナウンスが終わり、係員さんが横の方にはけると、次はステージの方から、またスタッフのお姉さんが、登場した!
さぁ!いよいよ始まるか⁉︎
と、拍手を送るが、、、なんと。お姉さんが言うには、まだ裏でトレーナーさんと綿密な打ち合わせをしている最中です。。などと言う。なんだ?何かトラブルでもあったのかしら…、と心配になりながらも、お姉さんの時間稼ぎとも捉えられる『アシカの種類や、出身についての解説』に、また、耳を傾け。周りの人たちと一緒に「へぇ〜〜〜。」などと頷いてみたりして、調子を合わせる。

正直、そんなことは、私にはどうでもよく、早く早く!と思っていることは、確かだ…と、冷静に自分の心の内と、向き合っていたその時!

ステージ後ろの左壁から、茶色のアシカの手と思われるソレが、ピョコピョコと、本当にその部分だけをチラつかせているのが見えるではないか!!!!!


あれは、絶対アシカさんの手だ!いや、
足と呼ぶのか!?ん、どっちでもいい、
いよいよ、来てくれたんだ!

きゃー♫


(・・・この演出、まんまと、品川水族館の思うツボ。私は、すっかり心を掴まれ、動かされているではないか、いや、完全に振り回されている。笑 )


兎にも角にも、あらいやだ。本当に可愛い!そして、その芸も素晴らしい!!歩いたり、輪投げキャッチしたり、ラジオ体操したり、シャチホコみたいな格好をしたり、戯けてみせる、ユーモラスな動き!あぁ〜ん、もうメロメロぉ。

アシカさん、あなたは、素晴らしい!


はい。と、そんな調子で、アシカさんに対しては、無駄に自己投影や感情移入することなく、その芸に対して、かなり感激してしまった私でありましたとさ。ちゃんちゃん。

本当に、行ってよかった。


アドレナリンが放出していたのか、気づいた時には、かなり疲れてしまっていた私は、お昼ご飯を水族館のレストランで済まし、お土産を買って、すぐに自宅最寄りの駅に戻った。


既に、ヘトヘトなのにも関わらず、ご近所のお友達に会って、お友達の赤ちゃん(1歳9ヶ月)と、遊んだりして。
人見知りの赤ちゃんは、最初は、照れてたり、私を様子見してる感じでいたけれど、すぐに仲良しになったので、とっても嬉しくて嬉しくて。さらには、自ら抱きついてきたり、話しかけてくれたり、膝の上に乗ってきたり、よちよちと可愛い子だことぉ。口の中に入れて、食べちゃいたいよ。笑

私は、自分で言うのも変だけど、赤ちゃんに嫌われないタイプの人間なのだ。笑
お互い汚れない部分を知ってる感じで、私も大人といるより、すごく楽な気持ちになるし、楽しい!ってオーバーリアクションしても、赤ちゃんは喜んでくれるから、本当にありがたい。

私は、もっと、子供向けに楽曲を制作してもいいかもしれないな。

な〜んて思いながら、ニコニコしながら、
帰りましたとさ。



それにしても、やっぱり、
今日は、いっぱい動いて電池切れ。

あ〜!

ねむい。



- 幸 -