ライブ前日。
ギターを事前に置いておいていただこうと思い、西荻窪アートリオンへお邪魔した。今夜、何をしているかは、知らずにとりあえず行ってみたところ、沢田ナオヤさんがBARをする日だった。
沢田ナオヤさん。
私が出会ったのは、確か8年くらい前のことで、彼は、先輩ミュージシャンに連れられて、ライブハウスに飲みに来ていた。そこで、偶然にも、その日に私がライブをやっていたため、私の歌を聴いてくださっていた。というのが、始まりだった。
その日、お店の店長に言われるがまま、ご挨拶をしに行ったけど、私はその頃、知らない酔っ払いの人には、クールに接していたがために、先輩ミュージシャンと言えども知らぬ者同士だ…この状況どうすればいいのか分からん。という思いに駆られ、結局、初対面の時はご挨拶をしただけに終わった。
その一年後、私が双葉双一さんのライブが見たいと思い、調べたところ、双葉さんとナオヤさんのツーマンライブが行なわれている事を知り、『あれ?!ナオヤさんって、あの時のナオヤさんか!!』という訳で、ナオヤさんの歌と双葉さんの歌を聴きに、ドッキドキで、国立にある地球屋というお店に足を運んでみたところ、ナオヤさんが大変気さくに話しかけてくれた上に、一年前に私が行なったライブのMCの内容や、イベントタイトルまで記憶していてくださり、さらには『中田さん、今度ぜひ一緒に歌い合いましょうや〜!』と言ってくださったのである。
ナオヤさんは、今でこそ仲良し、と、言えるけど、当時は憧れが故にまた私の悪い癖で、距離を置きつつ、憧れの人のまま見つめているという感じだった。とにかく、ナオヤさんの歌と、ナオヤさんの人柄と、心持ちが素敵で素敵で、絶対また会いたい!と思った。気持ちが向いたら猪突猛進な私は、思い切って自らエイヤー!という感じで、ご一緒にライブしませんか?とお誘いさせていただいたのが、
私が当時ずっと続けていたイベント『はだかの音楽』だったり、奇天烈なシンガーソングライター吉原悲劇さんと共同企画をしたイベント『豚ジル猫まんま』だったり、西荻窪サンジャックでのツーマンライブだったり。と、まぁ、今思うとグイグイとナオヤさんをお誘いしていた(ことに今更気づいた、笑)。
ナオヤさんは、都度、快く引き受けてくださって、いつもいつも、可笑しかったり、素敵だったりした。
サンジャックライブでのツーマンでは、ナオヤさんが仲良しのパスカルズの知久さん(元・たま)が、お客様として後ろの方に座っているという状況になったりして、さらには、その後、みんなで一緒に飲みに行ったりする何とも信じがたく、夢のような時間があったことも、ナオヤさんとの思い出だ。当時、私はイカ天をYouTubeで見まくっていて、知久さんのことも大好きになって、ライブにも行って、よく聴いていたから、本物とご一緒にお酒を酌み交わすだなんて!と、頭がおかしくなりそうな気分だった。それで、なんだか居ても立っても居られず、『深夜になるので、私は帰ります』と言って良い子になって帰ってしまったのだった。(今思えば馬鹿野郎!朝まで飲めー!と、思う、笑)
実は、さりげなく国立の地球屋でも、知久さんは双葉さんとナオヤさんのライブを聴きに来てらして、何でか分からないけど、ナオヤさんと知久さんと私と三人で電車に乗って帰ったというストーリーもある。それを思うと、私の身に起こった偶然は、必然的な感じにも想う。自分がソロでやってくことが、本格的に決まって動き始めた頃、追いかけたその人がいたから。その人とは、私の最も尊敬し、当時の私を動かす原動力となっていた詩人音楽人、弾き語り『友部正人』さんを好きになったからだ。
私の全ては、友部正人さんから始まり、出逢いがあり、繋がり、友部正人さんを好きだという人達の中に私もいつからか仲間入り出来るようになっていた。
本当に、振り返ったのが久々の話過ぎて、なんだか泣けてきてしまうなぁ。。。
ナオヤさんとの思い出を考えると、こうして自分の原点にまで到達するのだ、ということを今日知れた。勝手な話であるけれど、私にとって、そして私の歌人生を語るには、沢田ナオヤさんという素敵な歌い手様の存在も、繋がっていて、とても大切な人であるということなのかな、と想ったりする。
そんなナオヤさんが、アートリオンでスタッフとしてBARをしているその日に偶然、私が立ち寄るというのも、なんだか不思議で、いつも偶然が必然みたいだなぁ。なんて感じつつ、今日は、かなり貴重な流しそうめん体験をすることになった。
話そうと思っていたこの『流しそうめん』に至るまでが、とても長い前説となってしまったのは、ナオヤさんのせいだ。笑
兎にも角にも、流しそうめんをお店のスタッフおりえさんと、ナオヤさんと、お客さんとして私、の三人でチャレンジして、一緒に愉快にそうめんを取って食べる。
そんな夏が2016年8月24日(水)にあった。
ということを付け加えて、何年か後になって、また振り返る時、語るのかなぁ私は。
流しそうめんに感動するナオヤさんは、それで歌を書けるのではないだろうか?と思わされるほど、キラキラした瞳でいらして、こんなお兄ちゃんいたら、毎日遊んでもらいたくなるなぁ〜ふふふ、なんて、私は思いながら、3倍美味しく、そうめんを食べましたとさ。
帰りは、星もとても綺麗で、
ほんとうに、いい夜だった。
明日は、ライブである。
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